わたしは以前、音楽療法士と一緒に「音楽の持つヒーリング効果」についての研究をしておりました。
その成果を形にしようと、2019年末に役者の美空しいらさんと“子どものための作品”の企画を進めていたのですが
新型コロナウイルス感染症のため、予定していたコンサート企画がすべて無期限延期。
計画を断念せざるを得ない状況になりました。
一年間外で遊べない子どもたちと過ごした中で、この状況を打開できないものかと考え、童謡(いま流行っている曲も素晴らしいですが、世代を超えて楽しめると云う点では、童謡には及びません)歌唱の配信を考案。
「童謡歌唱ユニット・ひよこ豆」を設立し、公益財団法人仙台市市民文化事業団様の助成によりミュージックビデオを数点作成いたしました。
翌年、アフターコロナの中でわたしたちができることをさらに模索し、封印していたコンサートの企画を再スタートすることにしました。
コンサートと名づけてはおりますが、正直なところずっと童謡歌唱にしてしまうと子どもたちはみんな眠ります(それはそれでいいんですが)。
そこで地元の児童劇団や全国の役者さんにご協力のもとで、様々な演目を行うことにしました。
・ピアノ演奏
・ハンドベル演奏
・演劇
・朗読劇
・参加型の合唱
初めは2人でスタートした話だったのに、今では累計70人以上ものキャスト&スタッフの皆さんに支えてもらい、毎回コンサートは満席となるほどの成功を収めております。
正直な話、普通に生活しているわたしたちにとって、このコンサートの企画運営はとても大変です。
わたしは三児の母ですし、美空しいらさんのお子さんは小学校に入りたて。
役者の阿比留真子さんは一年に一回大阪からお子さん2人を連れて仙台まで来てくれているし、役者の松山楓さんは東京から参加です。
そんな思いをしてでも、みんなこのコンサートのために駆けつけてくれています。
お稽古にMTGに、時間もお金もみんなこのコンサートに注ぎ込んでいると言っても過言ではありません。
それでも、未来に向けた活動をやり続けなくちゃいけないなぁと強く思っています。
わたしたちの子どもが、人のために一生懸命になっているその背中に、何かを感じとってもらえたら。
大人になった彼らが「あんなコンサートがあったな」「あの話、面白かったね」そんなことを思い出してくれることを夢みながら。
インタビューより
ひよこ豆1号・半澤伸枝
団体のコンセプト
①子どもたちだけではなく、かつての子どもたちも一緒に体験すること。ステージは体験なので、一緒に笑い、驚き、歌うこと。この一体感は、映像では伝わりません。観に行った者同 士が感想を言い合うことで、新たな発見や洞察など、より膨らんでいきます。
②子どもは「子ども=未来」と言う言葉をよく聞きますが、かつて自分たちもそうであったことを考えると、すべ
てはペイフォワード(:Pay it forward 自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで、善意をその先につないでいくこと)だと思っております。
③わたしたちの活動は、子どもの成長に必要な3つの要素(F.C.E.)を大切にしています。
foundation/個性をつくる精神(心・魂)と、それを受けとめる肉体(身体)を、健全で健康なものにすること
connection/対人や対物に関し、お互いを尊重し、接続できる関係性とその空間を作り上げること
energy/複数の個による関係性を動かす力(元気・勇気)を持たせ・その力を保たせること